児玉 作左衛門 (こだま さくざえもん) 1895年~1970年
アイヌ文化の源流をもとめた研究家。
アイヌ民族学研究の基礎をつくった人類学者の児玉作左衛門。
秋田県鹿角郡柴平村に生まれる。函館中学校卒業、第二高等学校を経て、東北帝国大学医学部に学ぶ。卒業後同大学解剖学教室で人脳髄の研究を行い学位をうる。
きらにスイス・チューリッヒの人脳髄研究所モナコフ教授のもとに、3カ年にわたって留学。1929年(昭和4)北海道帝国大学に教授として迎えられ、多くの弟子を擁して、人脳髄の組織学的研究を行った。
一方、人脳髄の形態学的研究にも着手、さらに脳髄を包む頭蓋骨の研究を行う。そして、日本人頭骨とアイヌ頭骨との比較研究に進む。またアイヌの民俗学的研究にも興味をもち、アイヌ文化の起源を探るため、北海道の考古学へと、研究対象を広げていった。
その間100人を超える研究者を育成指導したので、研究室の業績は、各テーマを合わせて数百編に及んでいる。なお日本解剖学会、日本人頬学会の重鎮として評議員を務め、1948年(昭和23)には北海道新聞文化賞、1965年には北海道文化賞、そして1966年には勲二等旭日重光章を受賞した。
現在、調査・収集した資料は「児玉コレクション」として函館市北方民族資料館に展示されている。