岩船 修三 (いわふね しゅうぞう) 1908年~1989年
函館で生まれ北海道の画壇において常に中心的な役割を果たしてきた油彩画家。 函館商業学枚・美術クラブ「極光画会」で活躍し、後に函館の美術団体「赤光社」の再建に力を尽くした岩船修三。
岩船呉服店の3代目、峰次郎の4男(本名・修吉)として函館に生まれる。函館商業を卒業後20才で上京、川端画学校に学んだ後、2度にわたる帝展での入選を経て、昭和11年、フランスに留学。
パリでは、ピカソやマチスの知遇を得るなど、3年間の滞在中にヨーロッパ絵画の新思潮に広く触れる。
戦争勃発にともない、やむなく帰国となった後は、光風会会員として迎えられ、その後同会を中心に活躍する。
その作風は、渡欧前の写実表現にはじまり、帰国後は、シュールレアリズムや抽象絵画の影響を、画伯独得の豊かな色彩感覚と詩情で見事に消化し、個性的な心象表現へと完成されていった。
独創性にあふれた夢幻の情景は、アイヌ・ユーカラのシリーズとともにひとつの到達点として高い評価を受け、’61年には函館市文化賞を、’73年には北海道文化賞を受賞した。