函館市文化・スポーツ振興財団

橋本 三郎 (はしもと さぶろう)  1913年~1989年

函館で生まれ北海道の画壇において常に中心的な役割を果たしてきた油彩画家。 函館商業学枚・美術クラブ「極光画会」で活躍し、後に函館の美術団体「赤光社」の再建に力を尽くした橋本三郎。

橋本 三郎

函館商業学校在学中より道展に出品を重ねる。昭和10年の春陽会展に初入選を果たしたのち上京、本格的に画家への歩みをはじめる。

昭和14年、国画会に転じたのちは、同展を中心に、長く独創的な制作活動を続けた。その芸術性は、事物の存在感に対する優れた具象表現を出発点とし、やがて戦後になってからは、キュビズムを基礎とする知的な画面構成、さらには、あくまで現実の事象に立脚した独自のアンフォルメル風抽象へと、豊かな展開をみせた。

また、パリ外遊を経た後は、ヨーロッパの街景を取材しながらも、心象表現の深まりをみせていた。戦後は、全道展創立に参画し、北海道の美術文化の向上にあたり、常に中心的な役割を果たした。

’61年には函館市文化賞を、’85年には北海道文化賞を受賞した。

函館ゆかりの人物伝